こんにちは、けいタンです。
近代日本の歴史について説明します。
今回取り上げるテーマは?
少し前から大学の集中講義のように数十回にわたって「近代日本の歴史」について解説しています。
参考した本は油井大三郎さんの「避けられた戦争」です。
第1講は話のプロローグとして、1920~1940年代の全体像を俯瞰的に眺めてみました。
第2,3講義は、ヴェルサイユ会議と日本について解説して、今回第4講はヴェルサイユ条約の内容がいかに日本社会に影響を与えたのかについて見ていきます!
今後の投稿方針について
ここで、少し話の内容がそれてしまいますが、8月9月はあまり投稿頻度が悪く、多くの方が楽しみにしていたにもかかわらずすみませんでした。
言い訳をしても意味がないので、これから見ている皆さんにあえて宣言しておきます。
10月から再度、毎日投稿をしていきます。そして、投稿時刻を決めておきます。
毎日午後6時にタメになるかもしれない雑学・教訓・勉強コンテンツをお届けします。
もし、できなかった場合は投稿記事の下部にあるコメント欄にどんどん不満・注意を書き込んでください…私としては、そのようなことがないように頑張っていきます!
ちなみに、今行っている「集中講義~近代日本の歴史」が終わったら、健康(予防医学)についても面白いタメになる内容がたくさんあるので紹介していきます!乞うご期待!!
あなたに考えてもらいたいコト
この集中講義の最大の目的は「20世紀前半の世界の戦争について振り返るとともに、どうすれば戦争(対立・コントラスト)を避けることができるのか?」
…すなわち、戦争を避ける道はなかったのか(戦争以外の別の選択肢を取ることができなかったのか)?ということについて考えていきます。
今の現代社会でも、ウの国とロの国が対立しています。
そして同時に、近代日本の歴史を学習する最大の理由は、過去の出来事から新たな知見を手に入れ、現代社会で応用することだと考えます。
あなたも近代日本、近代世界の功罪についてや戦争を避けるために必要なことを私と一緒に考えていこう!
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日本社会の反響
国際連盟協会の発足
唐突ですが、吉野作造という人物は1919年のとある雑誌で「帝国主義から国際民主主義へ」といっています。つまり、今までみたいな欧米列強がアジアやアフリカを植民地として勢力を広げるのではなく、これからは世界が一体となって平和を実現するべきだと。
国際連盟協会は1920年に発足し、国際連盟の活動を民間レベルで支援しており、1925年にもなると大日本平和協会との合流が起こりました。
これら平和運動日本連盟の結成は、米国の日系移民排斥への対応と考えるといいでしょう。
近衛文麿の「新外交」批判
近衛文麿は1918年の「日本及び日本人」という書物(雑誌?)のなかで「英米流の平和主義を排す」というようにウィルソンの新外交を批判していますね。
これは英国や米国などのような「(植民地などを)持てるもの」の現状維持策でしかなく、比較的日本などのような「持たざる国」にとっては正義ではないと考えたのでしょう。
講和会議参加後の近衛文麿の変化
しかし、近衛文麿はヴェルサイユ講和会議に参加することで、「力の政治(旧外交的)」が国際社会の鉄則と実感につながり、民族自決や国際連盟はウィルソンの功績だと思うようになりました。
これは、新外交の意味を部分的に認めつつも、基本的には「力の政治」である旧外交の継続が国際社会の特徴とみなしていたのです。
民族派の台頭と「新外交」批判
国権論者(民族派)の一人である徳富蘇峰は当時の日本で有名だった「国民新聞」で、第一次世界大戦前と後での国際政治…具体的には、弱肉強食の権力政治が基本であり、ウィルソン外交の新しさを否定しました。
また、玄洋社や黒龍会などの民族主義団体の変化を見てみると、「欧化への反発→伝統文化の擁護」が分かってきます。
すなわち、第一次世界大戦下の戦時ブームによる資本主義経済の急成長が、功利主義・個人主義の台頭、政党政治につながり、これが主流になると国家主義的な運動が低迷します。そうして、労働争議の頻発や社会主義的政党の活動の発展につながっていくのです。
簡単に一言でいうと、民族主義団体は国家の改造を主張する「行動右翼派」として再生していったのです。
その他にも、1919年の大日本国粋会や大川周明・満川亀太郎・北一輝らによる猶存社の活動は、天皇制を中心として国家改造を志すものでした。
ちなみに、大川周明によれば国際連盟は英米の「世界制覇」のための機関であり、国際連盟が戦争の反省に基づく、紛争の平和的解決をめざす機関という見方については無視していました。
確かに、歴史や外交に建前と本音があるのならば、大川周明の国際連盟に対する解釈も考えられそうですね。
北一輝のヴェルサイユ体制論
先ほどの猶存社で登場した北一輝は満川亀太郎あてに「ヴェルサイユ会議に対する最高判決」という題目で、英米が中国の「排日運動」をけしかけて「日本つぶし」を図ったという内容を伝えています。
つまり、英米が支援した行為というのは排日であり、世界史の新展開に目をつむるものであるのです。
「日本改造法案大綱」の影響
また、北一輝は1923年に「日本改造法案大綱」という名称で猶存社の指導理念を記述しました。
これがのちに軍部に影響し、あの二・二六事件の指導理念につながっていったのです。
このような社会主義的な要素では、私有財産の限度を設定し、それ以上のものは国家が接収するという考えであり、クーデターは憲法の停止や天皇中心主義といった思想につながりました。
よくよく考えてみれば、英米流の平和主義というのは、「英米の国際的特権」を維持するためのものであり、同時に「日本の軍備及び戦闘的精神」の非難に利用されたのです。
ということは、ウィルソンの「新外交」は英米の特権維持策であったと考えることもできそうです。
…歴史や外交といったものはそのような背景もあるのです。結局は自分たちの権利なのです。今の社会にも同じことがあてはまりそうですね…だって歴史は同じことの繰り返しなのだから。
そう考えると、歴史を学ぶ意義が見出せそうです→過去の歴史から現代社会を見つめることが大事なのです!
日米開戦論のベストセラーと登場の意味
左派系の知識人の一人であった樋口麗陽という人物は1920年に「小説日米戦争未来期」で、移民問題やシナ問題の対立について言及し、のち20世紀末には日米開戦が起こるだろうと考えました。
すごいですね、この人…いやこの人以外にも日米開戦論を唱えた人はいました。皆さんも歴史を勉強する必要が出てきましたね!
ちなみに、左派系は社会主義派と考えてくれれば大丈夫です。
そして、このような日米開戦論が登場した意味に関しては、日本が米国の「経済帝国主義(巨大な資本主義)」的側面を批判する論調が強いことや第一次世界大戦で勝って獲得した利権を奪われた悔しい体験が挙げられます。
日露戦後の米国における対日開戦論の登場
これは、少し前(前回の投稿)に登場した「黄禍論」や日系移民排斥論とともに登場したもので、ホーマー・リーの著書である「無知の勇気」(1911年に邦訳され、その題名は「日米必勝論」)には、日本の台頭に警鐘を鳴らし、米国の防衛力強化を訴えた内容が記されていました。
実際に戦争が起こる30年前からすでに日米開戦の雰囲気が漂っていたわけです。戦争ダメ、ゼッタイ!
第一次世界大戦後の米国における日米開戦論
ヴェルサイユ講和会議では、米国が日本に山東半島を迫ったことに対する反発が起こり、日米間の関係は悪化していきました。(※「ウォー・スケア」の再発(1920~1921))
また、ハースト系新聞のキャンペーンでウォルター・B・ピトキンという人物は1921年に「日本と戦はんや?」というタイトルで日米開戦論を批判していますが、少しずつ日米間の関係は悪化したことは歴史がすでに教えてくれていますね。
まとめ~ヴェルサイユ条約から日米開戦論が沸き起こった!
今回の内容はいかがだったでしょうか。
少しでもヴェルサイユ講和会議の内容や日米開戦論について、知ることができれば大丈夫です!(まずは知ることから何事も始まる)
次回は、日米両軍による戦争計画について解説していきますので、お楽しみに!!
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それでは今日はここまでとします。最後まで見ていただきありがとうございました。
また別の投稿でお会いしましょう。けいタン
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