表現の自由Ⅰ~ポルノについて考えていく~164(憲法⑩)

憲法

こんにちは、けいタンです。

日本国憲法(憲法)について話していきます。

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今回取り上げるテーマは?

今日のテーマは、「表現の自由」について、

「表現の自由Ⅰ~ポルノについて考えていく」というものになります。

ポルノっていう言葉を耳にすると、なんかいろいろとセンシティブなイメージがありますが、

今回、そしておそらく次回については「ポルノ」について日本国憲法の観点から、

表現の自由と合わせて考えていくことにしましょう!

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今回のテーマに関する日本国憲法

第21条1項:集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

第21条2項:検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

※参考 日本国憲法条文一覧リンク 日本国憲法|条文|法令リード (hourei.net)

ポルノってそもそも何なの?

あなたの知っている「ポルノ」とは何だろうか?

性表現と表現の自由

冒頭でも少し触れましたが、あなたは「ポルノ」という言葉を聞くと、どんな連想をしますか?

ある人は、ちょっとばかりえっちいなAVレンタルのやつを想像したり、

ある人は、リベンジポルノという言葉を知っていたり、

ある人は、ポルノグラフィティの大ファンだとか…(笑)

まあちょっとした冗談はさておき、

「表現の自由」という人権のなかでも一番大事だとされる人権の行使として、

性表現はどこまで許されるか、という問題について考えていきましょう。

わいせつなのか?芸術なのか?

特に、性表現が問題になる例として芸術作品があるでしょう。

すなわち、あるアーティストの方が作られた芸術作品について、

それが「わいせつか芸術か」…それともただの「人間としての当たり前」なのか

…と判断する基準は何なのでしょうか?

これは、芸術的な観点から見ても大問題ですが、

表現の自由にとっても「芸術作品はここまでOK」といったように、規制を設けて、

仮に規制を超えた場合に、簡単に処罰されてしまうと、

芸術の大きな特徴の1つである、表現で常識を突き破ることができなくなってしまいかねません

したがって、わいせつ表現規制・ポルノ規制も表現の自由にとっては一大事なのです。

表現の自由は偉い!

あなたの良さ・個性を表現しよう!

重要な人権である表現の自由

ではここで、表現の自由の一般論的な説明をします。

表現の自由は日本国憲法の保障する人権のなかでも、とりわけ重要度の高いものといわれています

その理由として考えられるのは次の3点です。

  1. 人間はコミュニケーションしたいという本性(人格的欲求)をもっているから、表現の自由をむやみに規制すると、この本性を否定することになってしまいます。
  2. 多様な意見が自由に発表され、人々がそれらを自由に批判したり反論したりする場が保障されて、はじめて人間社会が進歩し真理に近づいていくことができるのです。なので、表現の自由を制約すると、正しい意見が闇に葬られるかもしれないし、たとえ間違った意見であっても、みんなが批判して淘汰(なくしていくこと)すればいいので、いずれにしても表現の自由を制約することは許されないですね。
  3. 民主主義と表現の自由は不可分一体なので、憲法が民主主義という政治体制を掲げるからには、表現の自由を保障するのは当然のことで、民主主義が本物の民主主義といえるためには、とくに少数意見の発表の自由が必要不可欠なのです。

民主主義と少数意見

ちなみに、民主主義というのは、たえず少数意見にも多数意見となるチャンスを確保している政治体制のことです。

したがって、多数派が今たまたま多数派だからというだけで、

これから先も少数派に逆転されないように、少数意見を発表しにくくすることができるのでは、

民主主義のいわば、自殺行為といえるでしょう。

だからこそ表現の自由は、法律という多数派の意思によって、

自分に都合よく制約されてはならないということになります。

ポルノも偉いの?

「ポルノ=悪」という考え方は少しばかりナンセンスだね

人格的欲求とポルノ

こういった理由で、表現の自由が大事だとよくいわれますが、

ポルノ表現は先ほどの1~3の内容が想定しているような立派な表現類型といえるのでしょうか?

よくよく考えると、どれにもすんなりとはあてはまらないように思えます。

まず、1の人格的欲求という点については、

たしかに芸術表現なら人格的欲求のあらわれといえるでしょう。

ポルノも芸術と重なってはくるのですが、AVやヘアヌード写真などは、

「○○は□□である!」というような主張ではなく、ただの(誇張された)事実そのものにすぎないようです。

ただし、ポルノを女性差別の悪しきメッセージととらえる見方も打ち出されているようです。

思想の自由市場とポルノ

次に2の考え方については、ポルノをけしからんとか、特定の写真集が物足りないとか批判することは

できても、ポルノ表現そのものは「正しい」とか「間違っている」とかいうレベルの代物ではありませんね。

おそらく、ポルノは人間文明が発生したときからあったのでしょうが、

何万年も同じ内容を繰り返しているだけで、進歩も退歩もないのではないでしょうか。

もちろんながら、表現手段の進歩はあります。

というのも、最近はポルノビデオのネット配信まであるようですからね。

民主主義とポルノ

3の民主主義とのつながりという点については、ポルノと民主主義を結びつけるのはやはり難しそうですね。

だいたい民主主義と結びつく言論なら、大勢が集まってああだこうだと議論するという性質のもののはずですよね。

これに対して、ポルノはどちらかというと「ひとりでこっそり」というものなのです。

このように、表現の自由が大事だという理由のひとつひとつにポルノはうまくあてはまってこないのです。

そこで、そもそもポルノなどは憲法が保障している表現の自由の対象に含まれないのだ、という考え方も生まれてきます。

そうなると、なにが「ポルノ」かが問題となるだけで、

ポルノをどの程度、どこまでなら表現の自由によって保護すべきか、という議論は必要ないことになります。

つまり言葉を言い換えると、ある表現をポルノだと決めつけてしまえば、

あとは簡単にポルノの規制ができることになります。

学説におけるポルノの立ち位置

しかしながら学説では、「そもそもポルノは表現の自由の対象にならない」という考え方を拒否してきました。

なぜなら、なにが「ポルノ」かの定義自体が大変難しいうえに、

逆に立法者や裁判官の一方的な定義づけで、ポルノと境界線があいまいな芸術表現までもが

表現の自由の保護を受けられないことにもなりかねないからです。

例えば、ヌードが全部ポルノとイコールで表現の自由の保障を受けられないなどということになると、

ミロのヴィーナスのような傑作に対する見方が大きく変わってしまうことになるでしょう。

そこで、ポルノといえども、一応表現の自由の保障の対象だと考えたほうがよいことになりますね。

そのうえで、ポルノ規制が表現の自由に対する許された制約といえるかどうかを議論すべきなのです

もし仮に、本当にポルノを取り締まるだけの正当な理由があるのなら、

このように合憲だといえるためのハードルを高く設定しておいてもわいせつ文書頒布罪は

やはり合憲ということになるでしょうね。

まとめ~ポルノに対する規制は慎重に行うべき!

いかがだったでしょうか。

今回の内容は結構、難しかったかと思います(笑)。

でもそれと同時に、いろいろと「ポルノ・表現の自由」について考えさせられる内容だったかと思います。

家族や友人と表現の自由について話し合いましょう!

ここまで、お付き合いしてくれた方は少しでも「表現の自由Ⅰ~ポルノについて考えていく」

ということについてちょっとは意識してくれたんじゃないでしょうか。

まずは、とにかくいろんなことを知ることから始まります。

いろんな情報を踏まえたうえで自分のなりの意見を持ってもらったらいいですね!

そしてまた、こういう議題で友達や家族とディスカッションしてみるのも面白そうですね。

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それでは最後まで見ていただきありがとうございました。

それでは、またいつかお会いしましょう。けいタン
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