反作用~なぜスキージャンプはうまく着地できるのか~026(科学⑥)

科学

こんにちは、けいタンです。今回はスキージャンプに関する疑問について紹介していきます。

先日は北京五輪もあり、大変なご時世の中、選手の方のパフォーマンスには感動しました。

特に、スノーボード男子ハーフパイプの平野歩夢選手が圧巻なパフォーマンスで日本選手初めての金メダルを獲得したことについては驚きましたね。

おっと、話が脱線しました。今回はスキージャンプに関する雑学ですね。

前回は「船が水に浮くワケ」について書きましたが、こちらをまだ見ていない方は下に一応、リンクを貼っておくので空いている時間があればどうぞ。

・前回の関連記事:浮力~なぜ船が水に浮かぶのか~019(科学⑤) – (keitan-zatsugaku.com)

では、スキージャンプに関する疑問について解明していこう!

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今回のテーマについて

今回のテーマは「なぜスキージャンプはケガせずにうまく着地できるのか?」というものです。

なぜ、スキージャンプでは死なずにうまく着地できるのでしょうか?

意外と知らない方が多いと思いますが、スキージャンプの踏切り地点の高さは、ノーマルヒルでは66m、ラージヒルでは86mとされています。

そして着地点の目安となるK点と踏切り地点との高度差はおおよそ40~60mになるのです。

しかしながら、選手はこれほどの高さから着地しているのにもかかわらず、ケガをしませんよね。

まあ、これで簡単に多くの選手がケガをしてしまうようだったらスポーツ競技として成立しませんけどね…。

このジャンプをしてもケガをしない大きな理由が「着地面が斜面になっていること」と関係しているのですが、このことについて見ていきましょう。

この疑問に対する解答

先ほどにも述べた通り、今回の疑問の解決のためのヒントとして「着地面が斜面になっていること」が大きく関係しています。

そしてこの疑問の答えは、「スキージャンプは着地時に『反作用』が小さくなることで、受ける衝撃も小さくなるから」となります。

では、このことについて簡単にですが説明していきましょう。

真上からの着地の衝撃

今回は図を使って視覚的に分かるように説明します。

そして、①真上からの着地の衝撃、②斜めから着地の衝撃、③スキージャンプの着地の衝撃、の3段階に場合を分けて一つ一つ見ていきます。

まずは①真上からの着地の衝撃を考えるために、下の図をご覧ください。

参考文献:「物理の仕組み」より

仮に真上から水平面に着地すると、着地面に及ぼす力(a)は、着地面から受ける力(a’)として自分にそのまま返ってきます

そのままの大きさで返ってくるので、大きな衝撃を受けてしまうのはわかりますよね。

作用と反作用

ここで、今回の疑問を解決するための一つのキーワードである「反作用」について確認していきましょう。

このスキージャンプの例では、着地面に及ぼす力のこと「作用」と言います。

そして、着地面から受ける力「反作用」と言うのです。

簡単にまとめると、作用=自分が他のモノに及ぼす力のことで、

反作用=逆に物体から自分が受ける力のことを指すというわけです。

おっと、大事なことを忘れていました。

作用と反作用の力の大きさは等しくなります。

なので、真上から着地した例では、「(a)の力の大きさ=(a’)の力の大きさ」となりますね。

では、次に斜めから着地する場合について見て見ましょう。

斜めから着地の衝撃

斜めから着地する場合の衝撃はどうなるのでしょうか?

真上からの時と比べて、衝撃は大きくなるのか?それとも小さくなるのか?またまた変わらないのか?

皆さんも考えてみてください!

参考文献:「物理の仕組み」より

斜めから飛んできて着地する場合、全体の衝撃(a)は、着地面を垂直に押す力(b)と、前に進む力(c) とに分解されるのが上の図からお分かりいただけるでしょう。

このとき、選手が着地面から受ける力が、(b)の反作用である(b’)になります。

真上からの着地の場合と比べて考えると、斜めから飛んできて着地する場合には、(a)の力が(b)と(c) の2つの方向に分解されるので、(b’)のほうが(a’)よりも小さな値となるのです。

難しそうに感じる方もいるかもしれませんが、上の図からなんとなく直感的にも分かるかと思います。

では、最後にスキージャンプの場合について見て見ましょう。

スキージャンプの着地の衝撃

スキージャンプでは、着地面は知っているかと思いますが、斜めに設定されていますね。

参考文献:「物理の仕組み」より

冒頭でも言いましたが、この「着地面が斜面になっていること」が重要であり、このことが「着地時に『反作用』が小さくなり、受ける衝撃も小さくなる」理由なのです。

図から分かるとおり斜面に斜め上から着地すると、斜めから着地の時と同じように、(a)は垂直に押す力(b)と前に進む力(c)に分解されます。

しかしながら、選手が受ける衝撃である斜面から受ける反作用の力(b’)は、斜面に斜め上から着地するときよりもさらに小さな値になるのです。

これが、スキージャンプの選手がケガをせずにうまく着地することができる理由なのです。

まとめ~反作用が分散されることで衝撃が小さくなる!

いかがだったでしょうか。少し長くなりましたが、理解できたでしょうか。

今回の内容をまとめると以下のようになります。

  • 真上から水平面に着地すると、着地面に及ぼす力は、着地面から受ける力として自分にそのまま返ってくるので、大きな衝撃を受ける。
  • 作用=自分が他のモノに及ぼす力
  • 反作用=逆に物体から自分が受ける力
  • 作用と反作用の力の大きさは等しくなる。
  • 斜めから飛んできて着地する場合は、着地面に及ぼす力が2つの方向に分解されるので、衝撃は小さくなる。
  • スキージャンプは着地面が斜面になっていることで、着地時に『反作用』が小さくなり、受ける衝撃も小さくなるので、ケガせずにうまく着地することができる。

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では今日はここまでです。最後までご覧くださりありがとうございました。



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また明日お会いしましょう。けいタン
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